イナログ

ダイビングの話と鉄工の話。海が好きで造船業界に就職したダイバー兼職人が書いてます。

支えのない長い直線を綺麗に溶接する方法!【アングルを使おう】

 突然ですが、あなたは、長い直線を上手に溶接できますか?

私は、平継ぎの溶接や、へりの溶接など、体や手の支えがない溶接が苦手です。

手元がぶれぶれになってしまいます。

 

それでも下向きならなんとか頑張れますが、立て板の溶接とか、脚立に乗って中途半端な高さの溶接などは、本当に苦手で、見るに堪えないビードが出来上がってしまいます。

 

そこで今回は、そんな私でも少しマシな溶接ができたちょっとした方法を紹介します。

この方法では、立て向き、下向きなど、いろいろな場面で使えるので、ぜひ頭に入れてみてください!

あ、半自動溶接です!!

 

 

アングルを使って綺麗に溶接

 結論から先に言うと、その方法とは、アングルを使うことです。

直線をきれいに引くと言えば、定規ですよね。

アングルを定規代わりに使うことで、比較的安定して溶接することができます。

アングルをどう使うのかは、下で詳しく説明していきます。

 

トーチのガイドとして使う

溶接したい溝にワイヤを当て、その時のノズルの位置にアングルを持ってきます。

下向きであればアングルの重みで動きませんし、立て向きならアングルを仮止めしてしまえば動きません。

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溶接時は、ノズルをアングルに沿って動かすことで、常に同じ位置をキープすることができるので、

動かす速度と母材との距離にだけ注意して溶接を進めましょう。

これでブレをなくすことができます。

 

デメリット

 残念ながら、この方法にはデメリットもあります。

 

第一に、ひと手間以上増えます。

アングルを持ってきて、位置を調節、場合によっては仮付けをする。

急いでいるときや、距離が短くて割に合わないときには使えません。

 

第二に、溶接への影響です。

溶接をしていると、ノズルからアングルに電気が流れることがあります。

これにより電流が変化して溶接に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、電流が通った際にノズルとアングルが軽くくっついてしまうということが起こります。

溶接はどうしてもゆっくり動かすので、くっついてしまうとそこで止まってしまいます。

そのため、溶接が細切れになったり、止端が大きくなってしまうということが起こります。

 

アングルはガイドとして使えますが、がっつり沿わせるのではなく、触れるか触れないかの隙間を開ける意識で行うと良いかもしれません。

隅肉溶接などはできるのに平継ぎが苦手という人は、アングルを持ってくるだけで隅肉と同じような感覚でできると思います!

 

手元のガイドとして使う

 こちらは、ノズルを直接アングルにつけるのではなく、手首やトーチを持つ手をアングルに沿わせる方法です。

先ほどとは違いノズルは直接アングルに触れないので、ノズルとアングルがくっついてしまうことはありません。

 

これは個人的な意見ですが、平継ぎの溶接がうまくいかない原因は、体からのブレが全て手元に伝わってしまうからだと思っています。

平継ぎの溶接は体を当てる場所もなく、ただでさえ体がぶれやすいのに、隅肉溶接のようにノズルがブレても止めてくれる板がないのでブレ放題です。

 

その点、この方法ならブレを手元でストップできるので、手首の調節だけに集中することができます。

 

デメリット

 また、沿わせるのはノズルではなく手首なので、手首から先のブレは止められません。

隅肉溶接なども苦手で、まだ安定しないという人は上記のノズルを沿わせる方法が良いかもしれません。

 

先ほどはノズルがアングルにくっついてしまうというデメリットがありました。

この場合はアングルについたスパッタに、皮手袋等が引っかかってしまうことに気を付けましょう。

 

 こちらも手首をがっつり沿わせるのではなく、手首を触れるくらいにしておけば、引っかかってもスムーズに続けることができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アングルを定規代わりに使って溶接をきれいに行う方法を紹介しました。

最終的には何も使わずにきれいに溶接したいですよね。

だんだんと沿わせる力を減らしていって、最終的に全く触れずに平行に動かせるように、一緒に日々練習していきましょう!

 

最後までご覧くださりありがとうございました。